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自然の中で忘れていた感覚を取り戻す/文:野口健

もう10月。あっという間に夏が終わってしまった。今年の夏は「野口健 環境学校」の開催で、富士山や佐渡島でたくさんの小中学生と一緒に自然の中に飛び込み、学び、一緒にゴミを拾いました。今年は西湖を手作りのイカダで横断したり、子供たちと一緒に富士山山頂を目指したり、スタッフからは「まるで冒険学校」とまで言われてしまいました。でも、私はどうしても自然の中に飛び込む体験を増やしたかった。

いつも思っていることですが、日本人は自然の豊かなところに出かけても、車で少し移動してちょっと降りて何かを見て、また車で移動して少し歩くといったように、点から点へと動き回るだけなんじゃないかと。日本のレジャーは点で動くだけの観光になってしまっていて、自然をゆったりと楽しむ、体験するチャンスが少ない。

アウトドアにしてもそうだ。家族でキャンプに行っても、お父さんがアウトドアにセットを買ってきて、装備をちゃんと整える。そして混雑しているキャンプ地でバーベキューの定番コース。あげくに帰りは渋滞数時間……。気分をリフレッシュするのではなく、ストレスをためて帰ってくる気がする。

欧米のアウトドアはとてもシンプルだ。親子で付近の山に登るか、渓流を下るか、自然の中で遊ぶのが基本。キャンプは特別なものではなく、身近な遊びなのだ。

日本に自然を親しむ文化がなかったわけではない。昔から日本にも身近なアウトドアの楽しみ方があったはずだ。川や海、湖に釣りにいく、潮干狩りにいく、キノコ狩りにいく、ワラビ採りにいく——など、身近なアウトドアライフがあったはず。それはレジャーというよりも、暮らしの延長線上にある当たり前のできことだったと思う。

自然とのつきあい方は、遊びにいくというよりも、生活と密接したものと考えるほうがしっくりくる。現代の日本では難しいことだが、そういう感覚を取り戻すことも大事だと思う。

自然の中に入ると本来人間というのは感覚が敏感になる。神経が研ぎすまされる。忘れていた、眠っていた感覚のエンジンが動き出す。私は6000メートル級の山に登ることで普段は眠っている感覚を取り戻せる。ヒマラヤに行けば、過酷な自然の中で体ひとつだ。

だからシンプルな考え方になる。自分のやりたいこと、忘れていたこと、やるべきことなどが山にいるとはっきりわかってくる。自分の考えやスタンスにブレはないかと。そういう感覚を取り戻すため、年に1、2回は必ずそういう時間を作るようにしている。ヒマラヤという場所に里帰りすることで、私自身の原点を確認できるような気がする。

自然の中で飛び込むことで、普段は気がつかない感覚を体感できる。環境学校では子供たちにそういった感覚を体験してほしいと思っています。

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野口健環境学校の詳細は公式サイトをご覧ください
http://www.actions.jp/school/
   by mottainai-lab | 2008-10-31 12:59 | 野口健 | Comments(0)
  
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