クリスマスのイルミネーションが、美しい季節になりました。
今年も残りわずか・・・。今年はどんな一年でしたか?
ちょっと立ち止まって、振り返ってみる。そんなシーズンでもありますね。
おかげさまで、私は本当に充実した有意義な1年でした。
びっくりするほどいろんなことがありました。
それこそ「もったいない」くらい・・。たくさんの新しい出会い、
その度に多くの方にお世話になり、お引き立ていただきました。
この場をお借りして(勝手にお借りしてスミマセン・・)感謝申し上げます。
それもこれも、多くの方たちが「ふろしき」の価値を
あらためて見出してくださったおかげです。本当にありがとうございます。
モノの価値というものは、けして目に見えるものではありません。
またひとりひとりその価値感は違います。
でも価値を見出すことで、
ものの見え方が大きく変わる事って実感したことありませんか?
先日、お客様(80歳近いご婦人)からこんなお話をうかがいました。
「このごろ若い人たちの間で“浴衣”が流行りだしたみたいね。
“浴衣”ってちょっとハリやコシがあるほうが着た時に綺麗でしょ。
おろしたては生地もシャキッとしていて格好がいい。
でも何年か経つと、クタッとしてくるのよね。
浴衣としてはちょっと恥ずかしくなる。
そうしたら次は・・・
“寝間着”にするのよね!
“寝間着”は逆に身体になじむほうが気持ちいいでしょ。(笑)
さて・・その次は何にすると思う?」「その次???」
「“おしめ(おむつ)”よ!“おしめ(おむつ)”!
その頃には、はじめ浴衣地だったものがコシがなくなって、
赤ちゃんの肌に丁度いい優しい風合いになっているの。
そこまで使ってようやく“おしめ(おむつ)”に適したモノになるのよね。
自分の子供はもちろん、
知人に赤ちゃんが産まれたらお祝いに添えて差し上げたりね。
何よりの贈り物だったわ。
そうやって出番が来るまで大切にとっておいたものよ。」
「そして、いよいよ最後は、“雑巾”ね。
若い人には笑われるかもしれないけど、
私たちの若かった頃はみんなそうしてた。
なんでも最後の最後まで使ったわ・・・。」
“浴衣”⇒“寝間着”⇒“オシメ”⇒“雑巾”・・・・すごーい!!!!!
ひとつのモノが、姿を変え、役割を変え、
何よりその時どきに、最適なモノとして活かされている。
最後の最後まで価値を見出されて・・・。
脱帽の二文字でした。
ほんの一例かもしれませんが、
多くの人たちが「もったいない」に共通の価値観を
持っていたことが伝わってきました。
使い手がモノの価値を見出す知恵を持ち、
工夫することでひとつのものを最大限に使いこなしていた時代。
いま、私たちの生活はどうでしょう?コレにはコレ。コレはコレ用。
と、いつの間にか、決められた(?)マニュアルに従い、
マニュアル外のモノは、対応できないような感覚になってしまっている。
その結果、モノ・モノ・モノに埋もれた暮らししていませんか・・・
お恥ずかしいことに、私は埋もれ気味です(笑)
先人たちが当たり前のように身につけていた
「モノの価値を見出すココロ」は、
モノに対する敬意や感謝が見えると同時に、
暮らしを楽しむ余裕を感じます。
そしてそこには、MOTTAINAIに通じる多くのヒントが
隠されているように思えてなりません。
山田悦子