冷蔵庫/絵&文:真珠まりこ

冷蔵庫そうじを手伝った。
整理が苦手な人たちにとっては、捨てられないものでいっぱいになった冷蔵庫は、
もう手に負えない重荷と感じてしまうものらしい。
「どうしたらいいでしょう」と頼まれて、時々手伝うことがあるんじゃ。
入れるところがないからと、もっと大きな冷蔵庫に買い換える人もいるが、
それでは入れっぱなしで無駄になるものが増えるだけ。
なにも解決しない。もったいない。

明かりが見えないくらい、ものがつまった冷蔵庫の奥からは、
まっ黒になったみかんや、がちがちに固まった魚のミイラを見つけることがある。
中には、一度も開封されずに腐ってしまったものもあるよ。
もしかしたら、そこに入っていることさえ、忘れられてしまったのじゃろうか……。

冷蔵庫がなかったころには、生ものが傷みにくいように、酢でしめたり、
塩やみそに漬けたり、魚は内臓を出しておくなどの知恵と工夫があった。
便利な生活になるほどに、知恵が失われてしまうのだとしたら、
冷蔵庫に頼りすぎて、ものを大切にする気持ちまで忘れてしまうのだとしたら、
残念なことじゃ。もったいない。

食料品を買う時には、使い切れるようによく考えて買いたいね。
それでも余ってしまうなら、保存できるように工夫をすればいい。
たとえば、野菜を干したりして。
干した野菜からはいいダシが出て、煮物や汁ものにも使えるんじゃよ。

 冷蔵庫は、ものが腐らない魔法の箱ではないからね。

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   by mottainai-lab | 2009-10-26 13:44 | 真珠まりこ | Comments(0)   

渋滞する社会はもったいない/文・小山薫堂


1万2000件※。

この数字は、1年間で発生する首都高速での交通事故の件数です。

その事故が原因で起こる渋滞の距離は2万5000キロ以上。事故による時間や経済的な損失はとても「もったいない」ことです。それ以上に、人命も失われてしまうこともある。

しかし事故が1件減るごとに、2キロの渋滞が解消され、3トンものCO2の排出を減らすことができるんです。

僕がいま手がけている仕事のひとつに「東京スマートドライバー」というキャンペーンがあります。これまでの交通安全キャンペーンとは異なり、コミュニケーションの力でドライバーの安全意識を高め、首都高での交通事故を減らすことを目的とした社会貢献キャンペーンです。

最近のキャンペーンの展開を紹介すると、スマートドライバーの「スマドラファン」が増えました。交通安全のキャンペーンにファンがつくのは珍しいと思いますが、いまは「スマドラミーティング」が毎月行われている。

これは、スマドラファンが集まって「首都高はこうしたらいいんじゃないか」「交通事故がどうやったら減るのか」「渋滞しない首都高にするには」といったことをそれぞれ熱く語り合うんです。

皆さんすごく積極的に参加してくれて、われわれも気がつかなかったようなさまざまなアイデアを出してくれる。さらに、参加者が自主的にピンバッチのグッズを作ってくれた。

ほかにも、スマドラのメインビジュアルをあしらったラベルのシャンパンを作って「ダンナが安全に帰ってきたら乾杯するんです」と言ってくれた参加者もいました。

いちばん大きいのは、東京のいちキャンペーンが全国にじわじわと広がりを見せていることです。

「千葉スマートドライバー」「茨城スマートドライバー」「神奈川スマートドライバー」「軽井沢スマートドライバー」「京都スマートドライバー」などのご当地版が生まれました。

「徳島スマートドライバー」にいたっては、知事自らが記者発表もしてくれた。そういえば、徳島県のパトカーには、スマドラのステッカーが貼ってあるらしいです。

このキャンペーンを始めて、前年比で1600件の事故が減りました。もちろん、不景気などの理由で全体的に交通量が減ったという要因もありますが、単純にすごくうれしかったです。そのうち何件かはスマドラのキャンペーンが貢献したんじゃないかと思います。

あなたの町にもスマドラの輪が広がると嬉しいです。

※平成18年度首都高調べ

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東京スマートドライバー
http://www.smartdriver.jp/


<告知>
小山さんの新刊
「もったいない主義」(幻冬舎新書)が発売中!


小山さん原作の映画が12月12日に公開!
「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」
http://www.snowprince.jp/
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   by mottainai-lab | 2009-10-22 11:08 | 小山薫堂 | Comments(1)   

「もったいないの約束」をイントロデュース(紹介)!

先日、「もったいないフェア宇都宮2009(城址公園にて)」に参加し、「もったいない」について地元のプロスポーツ選手を交えながらトークショーをやりました。
その日は雨にも関わらず沢山の方(老若男女)がお見えになり、大変熱心に私の話を聞いてくれました。


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ここでこの日に教えて頂いた、宇都宮市の「もったいないの約束」をイントロデュース(紹介する)しましょう。


1、互いを尊敬し、思いやりを持って、ふれあいましょう。
2、すべての物(物が作られるまでの時間や人の労力)に感謝して、
  その価値を十分に活かしましょう。
3、宇都宮の素晴らしさを磨き、未来に誇れる町をつくりましょう。



いかがですか?とても素晴らしいですよね!!

会場では地元食材を使った各種模擬店か並び、来場者の方はマイバック、マイ箸、マイカップを持参、
宇都宮市民の皆さんの「もったいない」に対する熱を、肌でフィール(感じる)した一日となりました。

余談ですが、帰りに宇都宮駅でギョーザを食べました。パリッとしていて、とてもデリーシャスでした。
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   by mottainai-lab | 2009-10-15 10:58 | ルー大柴 | Comments(0)   

MOTTAINAIで連想すること / 文・仁科幸子

最近の子どもたちは、自分の気持ちの伝え方がとてもヘタだと言われる。

そこにあるのは、感性の乏しさ、イマジネーションの貧困さがあると思う。

日々のなんてことのない普通の生活の中にも、静かに感覚をとぎすませば、

この世界には美しいものがいっぱい溢れ、そこからイマジネーションが広がっていく。

イマジネーションの力があれば、現実に起こるさまざまなトラブルを解決するための

思わぬアイデアが浮かぶはずだ。

私は木を尊敬している。森や植物や風や光りや雨や空からも、いっぱい助けられてきた。

絵本作家としての私の作品に『パップンピット』というものたちがいる。

森の中で、木や植物や種やさまざまなものたちを助け、その絆を結ぶものたちだ。

地球はさまざまな多様性があり、すべての生物が一緒に生きている。そして、

忘れていけないのは、目に見えないものたちだ。

昔の日本人には、山川草木に対する畏敬の念があった。そこには、精霊や妖精たち、

もののけと呼ばれるものも一緒に暮らし、助けられていることを知ってバランスを

取ってきた思いやりがあった。


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パップンピットも、見たいと思わないと見えないファンタジーの世界の住人だ。

彼らの視点に立ってみると、私たちが置いてきてしまった小さなきらめきに

気づくことが出来る。パップンピット達のような小さなものたちの世界の視点から

自然の大切さや思いやり、美しい繊細な世界の営みなどを「パップンピットの種」

と題して、このモッタイナイのサイトを通して、子どもたちや大人に伝えていけたら嬉しい。

心の目を開いたら、退屈な毎日の中にもきっと、

『ハットする』ときめきや美しさが見つけられ、心が元気になるはずだ。

繊細な感性を刺激しないのは、モッタイナイ!

それこそ『ハットしないのは、モッタイナイ!』
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   by mottainai-lab | 2009-10-13 14:27 | 仁科幸子 | Comments(5)   

頑固な親父/文:野口健

最近、世の中から頑固な親父の姿が消えてしまったと思う。この頑固というのは、意思が固いという一般的なイメージと異なり、家族から見れば理不尽とも言えるくらいの怖さや行動力を持った人のことだ。

僕の親父は、僕も含めて「子供だから」といったように、そもそも子供を特別扱いにはしなかった。例えば、仕事から帰ってきて家族がそろうと、普通はテレビを見ながら家族団らんとなるが、野口家ではその日に起こった社会的な出来事などを取り上げて、家族でディベートするのだ。

テーマが決まるとまず兄貴が答える。次に僕だ。よくわからないテーマでもなんとか頑張って答える。

基本的にだらだら考えてしゃべるのではなく、瞬時に簡潔に答えなければならない。先に述べた兄と同じ論旨やノーコメントは論外だ。兄と同じ意見でも、自分の言葉に言い換えて述べなくてはいけない。なぜ兄と同じなのかといった説明も加えないとならないのだ。

答えられない場合は、「なんだお前、考えがないのか。だったらここでメシを食うな。自分の部屋で食え」と言われる。うまく答えがまとまらず、ひとりぼっちで部屋で食事をすることも少なくなかった。

ほかにも、親父は他人の子供だろうと容赦しなかった。僕が大学の友達を連れて帰ってきたときに「卒論は何を書いたの?」と聞いたところ、僕の友達は「国際経営です」と答えた。親父は「なんだそりゃ、もうちょっと説明してほしい」と言うと、うまく説明できなかった。すると親父は「なんだ、君は卒論を書いたのに説明できないのか」と。

親父の質問に対して最初からスムーズに答えられる人は少ない。普通は面をくらってしまうだろう。結局、友達は親父が満足する答えを言えなかった。

でも、その彼はリベンジしたいと言って、親父のところに通うことになる。何度か通ううちにコツをつかんだのか、親父が満足する答えを言えるようになった。

親父は自分の意見を持たないということに対して、本当に理不尽なまでに厳しかった。上手に話すことを求めているわけじゃない。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で自分の意見を言えるかが重要なのだ。借り物の言葉を使うなんでもったいないのだ。人は誰でも自分の意思で自分の意見を言えるはずだ。誰にも似ていないあなただけの言葉で。

父とのディベートは子供のころは本当に理不尽に思ったが、大人になってすごく感謝している体験のひとつだ。


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   by mottainai-lab | 2009-10-05 18:06 | 野口健 | Comments(0)   

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