ワイヤー罠が首にかかり、耳が切り刻まれていた子ゾウ。ワイヤー罠をはずし、耳の治療をするために、まずは子ゾウに麻酔銃を撃ちます。だけど、その子供を守る為に母親がレンジャーたちに威嚇して攻撃したりしてたので、ずいぶん時間がかかってしまいました。それにしても、ゾウの攻撃は恐ろしい。パォーーーーーッ!!と叫び声を上げながら木をバキバキバキ!!と破壊しながら突進して来た瞬間、大の男が10人ぐらいが血相変えて、車の荷台に飛び込んでいましたよ。
耳の治療をし、ワイヤー罠が外されると、なんと喉のところでざっくり気管が切れて、喉から息をしている状態だった子ゾウ。無惨に開いて炎症した傷口から、ブォーブォーと呼吸が聞こえます。
最初、安楽死させるかべきか話し合った後、「とりあえず、今日は治療し、もし後日病状が改善に向わなかったら安楽死させる」ということに決まりました。子ゾウってストレスですぐ死んでしまうんです。肺炎になって。こないだレスキューされた子ゾウも、1週間後にナイロビで死んだらしいし、先週レスキューされた子ゾウも(もっと小さかった)死んでしまったらしい。どちらも、移動からくる極度のストレスによって起こった肺炎。こないだの足が折れた子ゾウも入れると1ヶ月で死んだ子ゾウは、3頭。
この子は、これから助かるのだろうか?自然の治癒力に頼るしかないです。