とっても面白い本に出会いました! その名も、『その無難な服では稼げません! 朝5秒の鏡の魔法』。ファッションプロデューサーであり、日本ベストドレッサー賞選考委員も務めるしぎはらひろ子さんによる装いの指南本です。
担当した編集者が仲良しで、また著者のしぎはらさんもかつて大変お世話になった事もあって、発売をとっても楽しみにしていたのですが、さすが何十年も服飾の世界で活躍しているだけあって、基礎から応用まで幅広いノウハウを学べて有意義な読書となりました。
お金を稼ぐのも、仕事を受注するのも、自分の存在感ひとつを変えるのは装い。それも、清潔感を大前提とした、自分のキャラクターにあった服飾戦略なのだそうです。このように書くと、「お金がかかりそう……」と感じてしまいがちですが、ファストファッションからラグジュアリーブランドまで掲載されているブランドは幅広く、しかもアドバイスが具体的です。
例えば著者によると、年間を通じて必要なのは「洋服10セット」とのこと。たったの10セット、ジャケット、シャツ、パンツやスカートを準備して、それにカバンやアクセサリー、靴を合わせていくだけ。インナーを変えれば、同じジャケットでもまったく違う着こなしに見えるし、何よりも「無駄」が減るそうです。
著者によると、多くの人はクローゼットにある洋服のうちわずか3割しか着こなしていないそう。それいがいの7割の洋服は、タンスのこやしになっていたり、高いからもったいないと言って滅多に着なかったり、ほつれや破れをきっかけに着られずにいるもの。それは洋服もかわいそうですし、スペースをとるわりには活躍の機会がないのはMOTTAINAI。思い切って処分したり、売ったり、人に譲ったりしてクローゼットを空っぽにして、「洋服の10セット」をしっかり決める方がお金も日々の洋服選びの時間の節約にもなるそう。
実は、私自身はこれに似たようなことを以前から実践していました。ジャケット、ワンピース、Tシャツ、ジーンズ、コート、喪服など洋服はトータルでたったの30着。これ以上は持たないようにしています。何かがすり切れて着れなくなったら新しい洋服を購入するサイン。まめにクリーニングに出したり、修理をしながら着続けています。すると、すべての洋服が「一軍」であり、ずっと試合に出られないような「二軍以下」の洋服がタンスの肥やしになる事態を避けられるし、無駄な買い物もしなくなります。
これを読んで興味を持った方がいたら、是非しぎはらひろ子さんの著書を手にとってみてください。